WebRTCからコールセンターに関わるどういったサービスが生まれているかご紹介します。
Webブラウザによるテレビ会議システム、UCシステム
ぱっと思いつく使い方です。これまで高価なテレビ会議システムや専用アプリケーションが必要でしたが、これからはWebブラウザがあればOKというイメージです。Thrupoint, Requestec, weemoなど多くのベンダーが力を入れているところですが、特筆すべきは3CXやブレケケなどでしょうか。どちらもVoIPソリューションやSIP関連製品に強く、WebRTCとSIPデバイスをシームレスに連携できるところが特徴のようです。
既存コールセンターシステムへのアドオン
一番オーソドックスな使い方でしょう。顧客側はWebブラウザから、エージェントはWebブラウザベースの画面からでも、その他対応アプリケーションでもOKというソリューションです。いくつか例を挙げてみます。
Genesys
電話会議の雄、GenesysもWebRTCに乗り出しているようです。
Webサイト等の資料からしか判断できませんがまだまだこれからといったところでしょうか。繋がることは書かれていますが、目新しいサービスはまだ見受けられません。既存のSIPシステムと接続できるようですので、Genesysをお使いのコールセンターには追加でアドオンできそうです。
http://www.genesys.com/resources/datasheets-and-brochures/webrtc-service.pdf
WebRTC対応のIP-PBXを提供しており、その他コールセンタースイート製品でも使用しているようです。米国の会社ですが、日本に関連会社があるようです。
(2016/2/25追記
米国、日本それぞれでサービスを提供していました。
<米国サイト>
http://contactcenter-suite.com/
<日本サイト>
http://ja.contactcenter-suite.com/
)
WebRTCプラットフォームとしての提供
有償の無償様々なものがあります。また上で紹介したテレビ会議サービスを提供するベンダーの多くは開発者向けにライブラリを提供しています。その他代表的なものには次のようなものがあります。
SkyWay (NTT コミュニケーション)
WebAPI
JavaScriptライブラリ(PeerJSベース)
iOS SDK、Android SDK などを提供。1000人以上のデベロッパーが利用しているらしく日本最大規模のプラットフォームと言って良いかもしれません。
Oracle Communications WebRTC Session Controller (Oracle)
Signaling Engine
Media Engine
Client SDK
Dialogic
Serverソフトウェアを提供WebRTCとSIPデバイス間で接続する際のシグナリングやコーデック、メディアレコーディング、リレーなどを行う。
JavaScriptによるSIPの実装用のライブラリ。海外では非常に多くのデベロッパーに使用されている。
IoTとしての利用
面白い分野ですね。一般的なコールセンターには直接関係ありませんが、いくつか例を挙げておきます。
Double Robotics社
Romotive社
今回挙げたサービスはWebRTCを利用した新サービスだけではなく、WebRTCの弱い所や面倒な所を補うサービスもあることにお気付きでしょうか。これらWebRTCの弱点についても概要を知っておくことはこれらテクノロジーを利用する上でも非常に重要です。この点については次回、詳しく解説していきます。