Oracle Java 有償化。その現状と企業の今後の対策について調査報告。



Oracle Java 有償化。その現状と企業の今後の対策について調査報告。

2019.02.07 PST更新

 

これまでも紆余曲折ありましたが、現在の最新情報では2019年1月中にOracle Java SEの有償化が実施されます。今回はOracle Java SEの有償化について簡潔にとりまとめ、そして今後の企業の取るべき方策についても紹介していきます。

 

オラクル Java の有償化とは?

これまで無償で使用可能であった Oracle Java SEが1月から有償化となります。あくまでオラクルのJavaの話です。

 

ロードマップ

最新のOracle JDKのロードマップについてはOracleの以下のサイト(英語)で確認できます。

https://www.oracle.com/technetwork/java/javase/overview/index.html

 

上記サイトからの引用ですが、以下のように書かれており、通常のユーザーは2019年1月から新しいJava SE 8は手に入らなくなる可能性が高いです。そして、いつWebサイトからダウンロードできなくなるかもわかりません。

Oracle will not post further updates of Java SE 8 to its public download sites for commercial use after January 2019.

 

また、同サイトで確認できますが、オラクルの有償カスタマーは以下の通り延長サポートを受けることが可能です。

  • Premier Support: March 2022
  • Extended Support: March 2025

 

Oracle Java その料金は?

それでは有償カスタマーとはいくらオラクルにお支払いすればよいのでしょうか?こちらの公開されたPDFで確認できます。

(http://www.oracle.com/us/corporate/pricing/price-lists/java-se-subscription-pricelist-5028356.pdf)

購入量によってボリュームディスカウントがあるのですが、最小単位は以下です。

Java SE Subscription (CPU課金)

月額 : $25 または3000円 per physical CPU

 

Java SE Desktop Subscription (ユーザー課金)

月額 : $2.5 or 300円  per user.

 

 

サブスクリプションの購入をしない場合は?

オラクルとしてはOpenJDKへの移行をおススメしています。

こちらのFAQの中でオラクルが以下のように回答しています。

(https://www.oracle.com/technetwork/java/javaseproducts/overview/javasesubscriptionfaq-4891443.html)

We recommend transitioning your Java SE applications to OpenJDK binaries from Oracle (under a GPL license) before the end of your subscription if you do not intend to continue with the subscription.

 

料金をチャージされない用途とは?2019.02.07更新

こちら、よくされる質問のため追記しました。社内外を問わず、通常用途で使用する場合は残念ながらチャージされます。が、しかし、開発/テスト/デモ用途の場合はチャージされません。

Oracle grants You a nonexclusive, nontransferable, limited license to
internally use the Programs, subject to the restrictions stated in this
Agreement and Program Documentation, only for the purpose of developing,
testing, prototyping and demonstrating

 

個人ユーザーは2020年12月末まで無償でJava8を利用可 2019.02.07更新

こちらも追記しました。個人ユーザーは少なくとも2020年12月末まではJava8の無償利用が保証されています。ここでいう個人ユーザーとは主にゲーム用途等でPCでJavaを利用しているユーザーを指しますので企業はあまり関係ないですね。

 Oracle will continue to provide free public updates and auto updates of Java SE 8, until at least the end of December 2020 for Personal Users, and January 2019 for Commercial Users. Personal Users continue to get free Java SE 8 updates from Oracle at java.com

引用元:https://www.oracle.com/technetwork/java/java-se-support-roadmap.html

 

以上ですが、簡単に現状をおさらいしました。Oracle Javaの有償化についてはIT業界へのインパクトが大きいため、今後の進め方はまだ流動的です。今後、オラクルから新しい発表があるかもしれません。

 

それではこのオラクル Javaの有料化をふまえて、企業はどう対応するのでしょうか。Oracle Javaを有償で使用するという手段も勿論あります。しかしながら一般的に考えるとそのサブスクリプション費用は非常に高額です。Oracle Javaから他へ移行すると考える企業も多いはずです。

 

「コールセンタートレンド」が実施した各企業へのアンケート調査の結果から、企業が取りうる代替手段が明らかになりましたのでここで紹介します。




オラクルJavaから他のJavaへ

 

代替案1. Open JDK

やはり代替案の筆頭として考えられるものはOpenJDK(https://openjdk.java.net/)です。

Based on:

Oracle JDK (from Java11 forward, essentially identical)

ライセンス体系:

GNU General Public License, version 2, with the Classpath Exception

最新リリース:

  • OpenJDK 8
  • OpenJDK 11

スポンサー:

Oracle

OpenJDKの懸念としてはスポンサーがオラクルであること、Long Term Supportが現状ないこと、Windows用の公式のインストーラーがないことです。(他のプロジェクトが提供しています。)

 

 

代替案2. OpenJDK on Red Hat

(https://access.redhat.com/articles/1299013)

Linux のメジャーディストリビューター Red HatがOpenJDKベースのJavaの提供を行っています。RedHatやCentOSを使用したサーバー上での使用であればこちらがベストの選択肢になるかもしれません。

Based on:

OpenJDK + security fixes

ライセンス体系:

GNU General Public License, version 2, with the Classpath Exception

最新リリース:

  • OpenJDK 8
  • OpenJDK 11

スポンサー:

Red Hat

少なくとも現バージョンのアップデートリリースは以下まで続きます。

  • Java 8: June 2023
  • Java 11: October 2024

 

代替案3.  AdoptOpenJDK

(https://adoptopenjdk.net/)

IBM、マイクロソフト等がスポンサーのOpenJDKです。こちらも現時点ではWindows用のインストーラーはありません。

Based on:

OpenJDK and IBM’s OpenJ9

ライセンス体系:

Apache License, Version 2.0

GNU General Public License, version 2, with the Classpath Exception

最新リリース:

  • OpenJDK 8 (LTS) based on latest OpenJDK 8
  • OpenJDK 11 (LTS) based on latest OpenJDK 11

スポンサー:

IBM, Microsoft, Azul Systems, etc.

少なくとも現バージョンのアップデートリリースは以下まで続きます。

  • Java 8(LTS): Sep 2023
  • Java 11(LTS): Sep 2024

 

 

代替案4.  Zulu

(https://www.azul.com/products/zulu-enterprise/)

Microsoft系のOpenJDKです。Azul社はOracleのJava有償化を自社のビジネスチャンスと思っているらしく、Azul社のWebサイトではOracle Javaの有償化開始までのカウントダウンを行っています。Windows用のインストーラーが提供されています。

Based on:

OpenJDK + Performance enhancements and security fixes

ライセンス体系:

GNU General Public License, version 2, with the Classpath Exception

最新リリース:

  • version 8 based on latest OpenJDK 8
  • version 11 based on latest OpenJDK 11

スポンサー:

Azul Systems, Microsoft

こちらはコミュニティバージョンはサポートのライフサイクルなど保証されていません。

マイクロソフトのクラウドAzureの公式JDKです。

 

代替案5.  Amazon Corretto

(https://aws.amazon.com/corretto/)

Amazonの提供するJavaです。Windows用のインストーラーが提供されています。

Based on:

OpenJDK + Performance enhancements and security fixes

ライセンス体系:

GNU General Public License, version 2, with the Classpath Exception

最新リリース:

  • version 8 (LTS) based on latest OpenJDK 8

スポンサー:

Amazon

今後のサポート予定:

Corretto 8 (LTS): June, 2023
Corretto 11 (LTS):  August, 2024

 

AmazonのクラウドAWSの公式JDKです。AWSの規模から考えて今後は主流のJavaになる可能性大ですね。

 

 

代替案6.  IBM J9

(https://developer.ibm.com/javasdk/support/commercial-licensing/)

IBMの提供するJavaです。Windows版のサポートはありません。

Based on:

オリジナル

ライセンス体系:

IBMの独自ライセンス.
JDK/JRE はインストール自由です。

最新リリース:

  • version 1.8.0_191

スポンサー:

IBM

今後のサポート予定:

Java 8: April 2022

 

いかがでしたでしょうか。現状、Oracle JavaユーザはJavaユーザ全体の70%程度を占めていると言われています。これから起こるJava戦国時代を生き抜いて、どのJavaが覇者になるかにも注目ですね。