コールセンターシステム技術者が知っておくべきAI技術の勘所。[その2. AI(人工知能)技術を利用した事例紹介]




コールセンターシステム技術者が知っておくべきAI技術の勘所。[その2. AI(人工知能)技術を利用した事例紹介]

 

 

コールセンターシステム技術者が知っておくべきAI技術の勘所。今回は第2回目です。前回は「AI技術とは何?」ということをテーマにしていましたが今回は具体的なAI技術使用例をいくつか紹介します。前回(コールセンターシステム技術者が知っておくべきAI技術の勘所。[その1. AI(人工知能)技術とは?])をまだご覧になっていない方はそちらから先にご参照することをオススメします。

 

 

 

コールセンター関連分野のAI技術応用

 

一般的に「AI技術は好きだし身近なものだが、みんな知らないだけ」と言われています。これはAI技術が社会を支えるインフラの一部になってはきていますが、オモテにはなかなか出てこないので一般の人はAI技術に気づかないことを指しています。「AI」と言われても「何に使われているんだろ?」って思ってしまいますよね。そこで今回はコールセンターに関連分野のAI技術応用について、いくつか商品事例を紹介したいと思います。

 

1. CRMでの利用事例: Salesforce Einstein

ご存知クラウドCRM大手、セールスフォース・ドットコムのAI機能です。「Salesforce Einstein」の名前はCRM向けに作られたAI機能全体を指すブランド名のようなもので、特定の機能を指しているわけではなりません。

イラストは公式Webサイト(https://www.salesforce.com/products/einstein)からの引用です。

 

Salesforce Einstein2016年に発表されました。それから各機能別にベータ版での提供を経て正規サービスとしてリリースされています。前述した通り、「Salesforce Einstein」はセールスフォースのAI機能サービスの総称的なものです。AI技術の利用はホットなトピックであるため、日々新しいAIサービスが追加されています。そのため各機能によって、「未だベータ版」であったり「既に正規リリース版」であったりします。

現在、Salesforce Einstein は、以下のクラウドで利用可能です。

  • Sales Cloud
  • Service Cloud
  • Marketing Cloud
  • Salesforce Platform
  • Analytics Cloud
  • Community Cloud

 

一般的に日本のSalesforceのユーザー企業は2017年頃から「Salesforce Einstein」の導入の検討とその導入効果の検討を開始したと言われています。

 

マーケティングへの応用例として”Predictive Scoring“機能があります。

これはAI技術を利用して顧客を採点(スコアリング)する機能です。どの顧客が優秀な見込み客(Lead)であるか、エンゲージメントに結び付くか、どういった行動をとる可能性があるか、などをAIが予測してくれる機能です。

Salesforce Einsteinの優れている点はその技術だけではなく、「クラウドならではの使いやすさ」にあります。ユーザーは難しいAIの知識はいりません。既に準備されたサービスを利用するだけです。説明サイトやビデオも充実しており企業がAIを利用するハードルをグッと下げていますね。




2.音声分析での利用事例: SpeechIQ

コールセンターでは定番の録音ファイル分析をAIにやらせてしまおうという技術です。この分野は日本でも多くのITベンダーが参入していますので、日本ではあまり知られていない会社”SpeechIQ“を一例として紹介します。

イラストは公式Website(https://www.speechiq.com/)からの引用です。

 

SpeechIQはクラウドベースの音声分析サービスです。企業はコールセンターで取得した録音ファイルをセキュアなクラウドにアップロードすることにより、このサービスを受けることが出来ます。以下代表的なサービス例です。

  • 通話レビュー、分析
  • 心情分析
  • 機密データの修正

 

「心情分析」とは通話中のカスタマーやエージェントの心情(怒っているなど)を評価し、スコア化することです。SpeechIQではIBMのAI技術「Watson」を利用することによりこのサービスを提供しています。

外部AIエンジンを自社のサービスの一部に利用する例は特に珍しいわけではありません。一般にAIのコア技術の開発には大規模な資本と頭脳が必要なため、自社の製品やサービスについて、独自開発部分と外部エンジンを組み合わせるケースも増えています。

 

 

3. チャットボットでの利用事例: Nextremer

こちらもコンタクトセンターでの利用の定番の一つとなってきました、チャットボットとしての利用です。この分野では高度な自然言語処理機能を持つAI対話システムが必要です。多くのベンダーがAIを謳って提供していますがその品質には製品によって大きなバラツキがありますので注意が必要です。

 

今回、事例として紹介するNextremer社のAI対話システム「minarai」はその品質に定評があります。また昨年開催の「コールセンターCRMデモ&コンファレンス2018 in東京」において、「minarai」を日本ブレケケの「コンタクトセンタースィート」と組み合わせたデモがその品質の良さから関係者の間で話題になりました。

イラストは公式Webサイト(https://www.nextremer.com/)からの引用です。

 

 

また、AIボット製品やサービスについて、海外では高い評価を得ているAI対話システムも日本では言語の壁からか、期待した性能が出ない製品が多くあります。導入にあたっては十分な評価が必要です。特にAI技術の場合、そのシステムは学習しますので疑似本番環境で十分な時間を掛けてインプットを与える必要があります。

 

いかがでしたでしょうか。コールセンターに関連したAI技術の応用について、いくつか商品事例を紹介しました。AI技術は現在最もホットなトピックの一つです。今後も有用な新しい機能やサービスの出現が期待されています。