コロナを乗り切れ! 加速するコールセンターのテレワーク化とその必須事項。



コロナを乗り切れ! 加速するコールセンターのテレワーク化とその必須事項。

 

コロナ禍の中において、コールセンターの需要は高まる一方、その仕事環境は3密(密閉・密集・密接)というジレンマに陥っているコールセンター業界。国内外において実際にクラスターが発生した事例もありました。

ご存知の通りコロナ対応としてテレワーク化(在宅勤務)が急速に進みました。最近では比較的大規模なコールセンターのテレワーク化事例も報告されています。そのため今回は一般的にコールセンター業務をテレワーク化するにあたって必要な事柄について解説していこうと思います。


 

一般的にテレワークに必要なもの

 

コミュニケーションツール

最近ではZoomが(良くも悪くも)有名になりましたね。基本的に以下のような機能を含んだコミュニケーションツールが使用されます。

  • 音声/ビデオ通話
  • 音声/ビデオカンファレンス
  • チャット
  • ファイル転送
  • スクリーンシェア

主にビジネス用途で使用しているものとしてはZoomの他に、Skype, Google, Slack, Cisco, Chatwork...等、数多くあります。
 


コールセンター業務のテレワークに必要なもの

 
ここではチューリッヒ保険の例(https://www.zurich.co.jp/aboutus/news/release/2020/0424/)が参考になります。チューリッヒ保険は500人規模のコールセンターを全面在宅化に成功したため、最近非常に有名になった事例の一つです。
 
 

シンクライアント化(オプショナル)

これはどのコールセンター業務でも必須というわけではありません。しかしながら機密性の高い情報を扱う業務であれば当然、データの外部への漏洩は許されません。シンクライアント化はこれらセキュリティ要件を満たす現実的な方法の一つとなります。
シンクライアント化により各エージェントは自宅から仮想デスクトップにログインして作業を行います。仮に自身の個人PCを利用していたとしても、仮想デスクトップ内のデータは自身のPCへはダウンロードできません。
 
 

備品の貸与、購入

業務に必要なPC、モニター、ヘッドセットなどの貸与、または購入のための費用補助が必要になります。
 
 

PBXによる在宅エージェントへの通話転送

コールセンターが着信した通話をエージェントに繋ぐ方法は主に以下の2パターンがあります。

  1. 自社PBX -> 公衆電話網 ->エージェント
  2. 自社PBX -> VPN網/インターネット ->エージェント

1は実際の電話番号を利用してエージェントのスマートフォンなどに電話を掛けるため、日本では通話料が発生します。また同時接続に必要なラインを確保する必要があります。
2はIPネットワーク経由でエージェントのソフトフォンに通話を転送します。いわゆる内線の転送であるため通話料は発生しません。
そのため通常はパターン2を選択することが一般的ですが、通話音質や使用中の音声基盤、設定変更の難度、セキュリティ要件を考慮して方法を決定します。

 

 

業務プロセスの変更と研修の実施

在宅勤務用にオペレーションを最適化する必要があります。オフィスのようにエージェントの傍にスーパーバイザーはいません。新しいコミュニケーション方法を決定した後、実際のオペレーションが可能なように研修を行う必要があります。

 

 

以上、簡単にまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。昔からBCP(事業継続計画)という言葉が言われています。10年前まではほとんどの企業は真面目に取り組んでいませんでした。2011年の東日本大震災を機に多くの企業がBCPに真剣に取り組むようになりましたが、それでも多くの場合、震災のシナリオを想定していました。いわゆるリモートサイトを立ち上げて業務を継続するプランです。

しかしながら、ご存知のように今回のコロナ禍の下ではこのプランは十分ではありません。リモートサイトも安全ではないからです。この状況は長引くことが予想されます。さらにはこの状況が去っても近い将来、別の理由により在宅勤務が強いられる可能性もあります。

座してコロナ禍が過ぎるのを待つのではなく、この状況下でビジネスを継続する方法を準備、実行していくことが各企業の今後の課題と言えそうです。