基礎から始めるIP-PBX
[第1回 IP-PBXのイメージを掴もう]
コールセンターのシステムを説明する上で避けられない仕組みの一つと言ってよいでしょう。IP-PBXは言わゆる電話機能ですので、基盤技術として確実にどのコールセンターでも使われています。
まず、IP-PBXとは何でしょうか。スパッと言ってしまうとIPネットワーク内において従来の電話でPBXが行っていた回線交換を行う機能のことです。
ではPBXとは?回線交換とは何か?という話になりますが、極論すると今からVOIPを始める方には「昔の電話の仕組みはもう勉強する必要がありません」と言いたいです。確かに知らないよりは知っていたほうが便利ですが、今から一から勉強するには無駄が多すぎます。既に使わなくなった仕組みや廃止されたシステムを学ぶ必要はありません。歴史よりも未来へ向いてもらいたいのです。また、2015年現在ではIP-PBXへの置き換えがかなり進んでいます。従来のPBX網と接続する機会はまだまだありますが、その都度必要な個所を学んで頂ければと思います。
IP-PBXのイメージを掴もう。(図解 IP-PBX)
IP-PBXはIPネットワーク(WANやLAN)経由でIP電話端末やPC、スマートフォン内のソフトフォンと接続することが可能です。このため一般的に企業の内線網はIPネットワークにより構築されます。また、外線網(公衆電話網)との接続については、主に以下の2パターンがあります。
1.VoIPゲートウェイを通じてPSTN網(公衆電話網)と接続
2.(光など)回線を直収し、キャリアの持つIP網と接続
新規に社内電話システムを構築し、外線網との接続を考えた場合、No.2の「光回線を直収」したほうが便利です。理由はVoIPゲートウェイといったデバイスの購入が不要になりますし、アナログ<->デジタルといった伝送方式を変換するオーバヘッドがなくなるためです。キャリアIP網との接続詳細はこちらの記事が参考になります。
No.1を利用するケースとしては「既存の電話番号をそのまま使いたい」、「地域固定の電話番号を使いたい」などの理由がある場合で、旧来の企業や大企業でよく見られます。
以下、IP-PBXを取り巻く一般的な環境を図解します。
IP-PBXとはIPネットワーク上のサーバー
上図からもわかる通り、IP-PBXは従来の電話回線上に置かれた独自デバイスといったものではありません。IP-PBXはWebサーバやメールサーバ等と同じようにIPネットワーク上の1ノードとして扱われるものになっています。また、従来のPBXの取り扱いには電話技術が必要でしたが、IP PBXの取り扱いには主にVoIP技術が必要となるため、担当者の持つスキルセットも変わってきています。
次回は実際IP-PBXがどういった技術で構築されているか解説します。
基礎から始めるIP-PBX [第2回 シグナリングにおけるIP-PBXの仕組み] >>
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