コンタクトセンターシステムを考える
[第1回 社内におけるコンタクトセンターシステムの位置付け]
コンタクトセンター(コールセンター)とは会社の顔であるとよく言われます。その通り、お客様との接点となりますので企業はこの機能を重要視することは当然です。業種にもよりますが、コンタクトセンターの良し悪しが企業の業績に直結することも珍しくありません。
ではこのコンタクトセンターシステムは企業の他のシステムとどのように繋がっているのでしょうか。コンタクトセンターをサービスとして提供する者、またはシステムを提供する者にとって、この全容を理解することは顧客企業が何を求めているかを知り競合他社との差別化を図るためにとても重要なことです。
コンタクトセンターの2つの目的
現在のトレンドとして、企業においてコンタクトセンターは社内において大きく2つの目的があります。次の図はインバウンドコールセンターの位置付けを模式図で表しています。こちらの図に沿って解説していきます。
1. 顧客からの情報を得て企業の業務の一端を担う(主にフロント業務)。
オレンジの矢印に沿った流れです。この場合、入力されたデータは通常CRMと呼ばれる顧客管理システムと連携されます。また、企業の業務が特殊な場合は別の業務アプリケーションへ連携されることもあります。
2.分析->キャンペーン利用に使われる。
グリーンの矢印の流れです。コンタクトセンターから得られた顧客情報は一旦CRMに連携されますが、その後一部、分析用のデータウェアハウスに格納されます。そして分析結果をもとにキャンペーンが企画され、キャンペーンはWebやメール、コンタクトセンターのアウトバウントを通じて行われます。コールセンターを利用する全ての企業が採用している訳ではありませんが、この例のように最近のトレンドとして、ビッグデータを有効活用する方向へ進んでいます。
コンタクトセンターシステムは主にこれら2つの流れのイン/アウトそれぞれを担います。そのため、以下のような連携機能がコンタクトセンターを選ぶうえで重要になります。
1. 電話、Web、メール、SNSなど各チャネルを総合的に扱うことができる。
2. 顧客管理システムや業務アプリケーションシステムとのシームレスな連携
3. 分析システムへのデータ連携
4. キャンペーン管理システムとの連携
ここに挙げた機能のどれを重要視するかは企業の業種や規模、その他理由により異なってきます。また今回は連携機能という側面を取り上げましたが、コンタクトセンターシステムを選ぶ上ではダイヤリング機能やエージェント管理機能といったそれ自体の機能の評価が最重要となりますし、コストとのバランスも考えなければなりません。
システムの選択にはこれらの他、将来性、拡張性、形態、セキュリティ、政治的な問題など多くの要素が絡んできます。これらの詳細については別の回に詳しく解説していきます。