WebRTCはコンタクトセンター業界に地殻変動を起こすか?
[第1回 WebRTC日本での現状]
WebRTCとは?
WebRTCはHTML5と共に2013年後半頃から日本でもよく耳にするキーワードです。
WebRTCとはWeb Real-Time Communicationの略であり、World Wide Web Consortium (W3C)が提唱するリアルタイムコミュニケーション用のAPIの定義、またはその技術全体を指すばあいもあります。この技術によりユーザーはプラグイン無しでWebブラウザ間のビデオ通話、オーディオ通話、ファイル共有、チャットなどのデータのやり取りができるようになります。
コールセンターを利用するお客様へのメリットは?
一見すると特に目新しくない気がしますが、この「プラグイン無しでWebブラウザ間の…」という所が重要です。これがコールセンター/コンタクトセンター業界ではキラーコンテンツとなります。
WebRTC技術を利用するとコールセンターを利用するお客様はWebブラウザさえあればコールセンター内のオペレーターと音声通話、ビデオ通話ができることになります。例として、お客様がWebで商品を注文しようとした際、不明な点があればWebサイト内にある問い合わせボタンを押せば良いのです。たちまちコールセンターのオペレーターとの通話が開始され、商品の説明を受けることが出来ます。既にこういった使い方をしている企業は多々あります。この点が電話やSkype等の専用アプリを使う場合と異なります。
2015年はWebRTC改革元年?
2015年に入り、「WebRTC」をテーマとした日本初のカンファレンスである「WebRTC Conference Japan」も開催されました。参加企業もOracleやhpをはじめとした大手製品ベンダー、NTT系を中心としたキャリア、GenesysやBrekekeといったVoIPプラットフォームやコールセンターソリューションプロバイダー、楽天などのユーザ企業といったそうそうたる顔ぶれでした。
しかし、各社力を入れている分野だとは思いましたが、始まったばかり感が否めません。まだまだビジネスでの利用方法というい意味では多くの可能性があると感じられました。
本稿ではコールセンターへの利用や既存のテレフォニーシステムとの関わりに焦点をあて次回より詳細を解説していきます。