今回はシスコの代表的なスイッチCisco Nexus をOpenFlowスイッチとして使うシリーズの第2回です。まだ第1回を見ていない人は先にそちらを見てください。前回説明した通り、大まかな手順は以下の1-5ステップなのですが、今回は「2.”Plug-in for OpenFlow”のアンインストール」から見ていきます。
1.Cisco Nexus 3000のOS/Biosバージョンアップ
2.”Plug-in for OpenFlow”のアンインストール
3.”Cisco OpenFlow Agent”のセットアップ
4.OpenFlow コントローラ(POX/OpenDaylight)の準備
5.Cisco Nexus 3000とコントローラの接続
2.”Plug-in for OpenFlow”のアンインストール
Cisco 公式のWebマニュアルにもありますが、”OpenFlow Agent”を使用するためには古いOpenFlowプラグインである”Plug-in for OpenFlow“をアンインストールする必要があります。
Cisco 公式のWebマニュアル:
手順は同じくCiscoの公式Webマニュアルにあります。(https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/switches/datacenter/nexus/openflow/b_openflow_agent_nxos_n3kn9k/b_openflow_native_agent_nxos_7x_appendix_0100.html#id_40740)
製品によってはこの” Plug-in for OpenFlow”はそもそもインストールされていない場合がありますので、その場合は本手順はスキップしてください。インストール有無は以下のコマンドで確認できます。
Switch# show run | section openflow
3.”Cisco OpenFlow Agent”のセットアップ
こちらのCiscoの公式Webマニュアルに従い、セットアップを行います。(https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/switches/datacenter/nexus/openflow/b_openflow_agent_nxos_n3kn9k/b_openflow_native_agent_nxos_7x_chapter_011.html)
しかしながら、2017年11月現在、マニュアルにおいて間違っている箇所がいくつかあり、この公式Webマニュアル通りには進めません。まずは以下、注意点を列挙しておきます。
注意点1.”enable”コマンドはいらない。(コマンドを打ってもエラーになる。)
マニュアルには手順上、書いていますがNexus3000にはこのコマンドありません。管理者には権限がすでにありますのでこのコマンドは実行する必要がありません。
注意点2.” system switch-mode n9k”コマンドはいらない。
手順ではNexus3000シリーズにおいて、Nexus9000モードをアクティベイトすることが必須と書かれていますが、こちらのコマンドはありません。また、必要ありません。関連手順はスキップしてください。
それではセットアップ例を列挙します。詳細はWebマニュアルを確認してください。
3-1. コンフィグモードでグローバル変数の設定
switch# configure terminal switch(config)# spanning-tree mode mst switch(config)# vlan 1-512 switch(config-vlan)# exit switch(config)# copy running-config startup-config
3-2インターフェースの設定。
switch(config)# interface ethernet1/1 switch(config-if)# switchport mode trunk switch(config-if)# channel-group 2 switch(config-if)# no shutdown switch(config-if)# exit
上記をインターフェースの箇所を変えて1/2、1/3と繰り返してください。
(例: switch(config)# interface ethernet1/2)
:
最後に設定を反映させます。
switch(config)# copy running-config startup-config
3-3 OpenFlow Agent用に Logical Switch を設定。
ここではスイッチとコントローラをつなぐルートとしてvrf managementポートを使用した例を記載します。使えるパイプラインを確認後、設定を行います。
switch(config)# openflow switch(config-ofa)# show openflow hardware capabilities switch(config-ofa)# switch 1 pipeline 201 switch(config-ofa-switch)# of-port interface ethernet1/1 switch(config-ofa-switch)# of-port interface ethernet1/2 switch(config-ofa-switch)# of-port interface ethernet1/3 switch(config-ofa-switch)# controller ipv4 172.16.201.68 port 6633 vrf management security none
上記はこのスイッチからコントローラー(アドレス:172.16.201.68, ポート:6633)にvrf managementポート経由で接続するためのコマンド例です。
最後に設定を保存して終了です。
switch(config-ofa-switch)# end switch# copy running-config startup-config
これでCisco Nexus スイッチ側の設定は終了です。次回は実際にOpenFlowコントローラーをインストールして、スイッチと接続してみましょう。